

スパイスとハーブを多彩に用いて、独創的なキーマカレーを発表し続ける『旧ヤム邸』。ハウス食品とのコラボレーションには「牛豚(ぎゅうとん)」と呼んでいる牛と豚2種のひき肉を使用したキーマカレーを選んだ。世の中で広く親しまれるひき肉にスパイスをくっきりと香らせ、独特な食感を持つ具材をプラス。「重厚感を出しやすい牛豚をベースにしつつ、今までのレトルトカレーにはない味わいを目指しました。」とはオーナーの植竹大介さん。



スパイスの中心となるのはカルダモン。ここをクリアに感じさせるのがひとつの“山”だった。「カルダモンパウダーをたくさん入れればそれだけ香りますが、ソースのなめらかさは悪くなる。口当たりはよいままに、カルダモンをどう感じさせるか。もちろんスパイスはカルダモンだけではありません。カルダモンをアシストするスパイスもあるわけです。全体のバランスを調えるのは、まさに香水をつくるような作業でした。」と、ハウス食品 開発研究所の仲田弘樹。具材がまたユニーク。ぶなしめじ、ゴボウ、赤ピーマン、くわい、こんにゃく、そして牛豚ひき肉が、噛むうちに様々な食感を口中にもたらす。作りたてのような香りのフレッシュ感、そして食感の妙。噛んでいるのが実に楽しい。



現在、植竹さんは大阪に3店舗、東京に1店舗のカレー店を経営しており、スパイスカレーのパイオニア的存在である。キーマカレーは味のベースがしっかりと出来上がりやすく、またスパイスの乗りの良さも魅力と語る。「鶏・豚・牛はもちろん、ラムやマトン、カモやサバなど、メインとなる食材の旨みでスタイルが出しやすい。またそれらにスパイスも香らせやすいんです。」
季節感を大事に、旬の素材をどんどん組み入れるメニューは基本日替わり。創作のヒントはジャンルを超えて和・洋・中から、貪欲に取り入れられている。




ご家庭でよりおいしく味わうポイントを、植竹さんにうかがった。
「まずは“追いカルダモン”をするのがおすすめ。パウダーをひと振りして、混ぜて食べてみてください。もしくはタイムやローズマリーを入れるのもいいですね。ドライでもいいですが、できればフレッシュなものがいいでしょう。上記のものに限らず、好みのハーブやスパイスを加えて『このカレーと何がマッチするか?』を自由に考えてみてください。」
