手軽に作れるクリームシチューは、肉や魚、野菜など幅広い具材でバリエーションを楽しむことができ、工夫次第で栄養バランスもアップできるメニュー。そんなクリームシチューに含まれる栄養素を徹底解説します。理想の栄養バランスに近づける具材のアイデアやレシピも必見です!
※以下、本記事に登場する「シチュー」はクリームシチューを指します。
「栄養バランスのとれた食事」とは、健康維持に必要な栄養素が摂れる食事のこと。栄養素には、たんぱく質、脂質、炭水化物(糖質)、ビタミン、ミネラルの「五大栄養素」があり、このうちたんぱく質、脂質、炭水化物(糖質)はからだを動かすエネルギー源となり、「エネルギー産生栄養素(三大栄養素)」と呼ばれます。
これらの栄養素の摂取量の目安は、年齢・性別・身体活動レベルごとに厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年度版)」に記されています。日々の食事では、各栄養素をそれぞれの摂取量を目安に、バランスよく摂るよう心がけることが大切です。
シチューには、どのような栄養素が含まれているのでしょうか? 一般的なじゃがいも・玉ねぎ・にんじん・鶏肉を使用したシチュー1皿(1食分としてごはん200gを含む)に含まれる栄養素と、「日本人の食事摂取基準」(2020年度版)の定める1食あたりの栄養摂取量の目安を比較してみましょう!
★シチュー1皿の栄養素充足率(%)(ごはん200gを含む)(30〜49歳女性の場合)
※基準値は、厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」に基づき、1食あたり(1日の1/3として計算)の各栄養素の必要な量(推奨量 / 目標量)を100とした場合。栄養価は文部科学省「日本食品標準成分表2015年版(七訂)追補2018年」を使って計算しています。 ※シチュー1皿は「北海道シチュー<クリーム>」(2024年8月時点)を使用(ごはん200gを含む)。
チャートを見ると、シチュー1皿で一食に必要なたんぱく質が摂取できることがわかります。また、にんじんに含まれるビタミンA(β-カロテン)は比較的熱に強く、じゃがいもに含まれるビタミンCはでんぷんに包まれるため熱で壊れにくいとされています。
シチューは幅広い具材を合わせられるので、これらの栄養に優れた野菜をベースに具材を工夫することで、ビタミンやミネラルなど不足しがちな栄養素を補い、栄養バランスを手軽に調整できます。また、シチューは煮汁ごといただくので、水に溶け出し失われやすい栄養素もあますことなく摂取できるという利点も。煮込むことで具材が柔らかくなり、消化しやすくなります。クリーミーな味つけなので、野菜も食べやすくしてくれます。
シチューは、具材としてさまざまな食材を取り入れることで、バリエーションを増やせるだけでなく、必要な栄養素を補うことができるので一石二鳥です。また、副菜も工夫することでより理想的な栄養バランスに。ここでは、栄養面からおすすめの具材と副菜をご紹介します。簡単に手に入る食材ばかりなので、ぜひ気軽に試してみてください!
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※β-カロテンは体内で必要に応じてビタミンAに変換されます。
一般的なじゃがいも・玉ねぎ・にんじん・鶏肉を使用したシチューに添えるなら、ブロッコリーやほうれん草を使った副菜がおすすめ。煮込むことで失われやすいビタミンCや、シチュー1皿では1食の摂取量に満たないカルシウムをプラスすることができます。また、仕上げにきざんだアーモンドをシチューに振りかけるとビタミンB2を手軽に補うことができ、食感のアクセントにも。
栄養バランスのとれたシチューレシピを、チャートとともに2つご紹介します。理想的な栄養バランスに近づけるだけでなく、彩り豊かな見た目で気分も上がるので、ココロとカラダがととのうこと間違いなし!
具材にはにんじんや玉ねぎといった定番食材の他に豚肉、ブロッコリー、ほうれん草を使用。豚肉にはたんぱく質やビタミンB1が含まれています。ブロッコリーやほうれん草は、ビタミンC、葉酸、鉄分の摂取に役立ちます。また、ほうれん草にはカルシウムやカリウムなどのミネラルも含まれているため、栄養バランスの調整にも◎。牛乳は通常より多めに入れ、不足しがちなカルシウムを補います。
ビタミンCは煮込むと失われやすいので、ブロッコリーとほうれん草はさっとした下ゆでしたものを仕上げに加えましょう。
★「ブロッコリーとほうれん草のポークシチュー」1皿の栄養素充足率(%)(ごはん200gを含む)(30〜49歳女性の場合)
※基準値は、厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」に基づき、1食あたり(1日の1/3として計算)の各栄養素の必要な量(推奨量 / 目標量)を100とした場合。栄養価は文部科学省「日本食品標準成分表2015年版(七訂)追補2018年」を使って計算しています。 ※シチュー1皿は「北海道シチュー<クリーム>」(2024年8月時点)を使用(ごはん200gを含む)。
じゃがいも、玉ねぎ、にんじんに、ほたて貝やほうれん草のうまみが溶け込んだシチューレシピです。ほたて貝は、たんぱく質やビタミンB1・B12の他、亜鉛や鉄分なども含んでおり、不足しがちな栄養素を補ってくれます。また、葉酸や鉄分を含んだほうれん草と合わせることで栄養バランスアップ!
ほたて貝は、加熱時間が長いとかたくなりやすいため、最後に加えるようにしましょう。ほうれん草も長く煮込むとビタミンCが失われやすいため、さっと下ゆでしたものを最後に加えてください。
★「ホタテとほうれん草のシチュー」1皿の栄養素充足率(%)(ごはん200gを含む)(30〜49歳女性の場合)
※基準値は、厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」に基づき、1食あたり(1日の1/3として計算)の各栄養素の必要な量(推奨量 / 目標量)を100とした場合。栄養価は文部科学省「日本食品標準成分表2015年版(七訂)追補2018年」を使って計算しています。 ※シチュー1皿は「北海道シチュー<クリーム>」(2024年8月時点)を使用(ごはん200gを含む)。
手軽に作れるシチューは、幅広い食材と相性がよく、具材や副菜を工夫することで理想的な栄養バランスのひと皿に。日々の健康を支える心強い味方として、ぜひシチューを食卓に取り入れてみてください!
和田 玲子(わだ れいこ)
食品事業本部 事業戦略企画部 統合プロモーション企画課
管理栄養士・スパイスマスター[ハウス食品(株)認定]として、ハウス食品の商品を通じて、より多くの方にたくさんの食と笑顔をお届けするためのレシピ開発を行う。ホームページ掲載中のシチューアレンジレシピも多々開発。