カレーの世界史 19世紀

パリやロンドンで競うように万国博覧会が開催されて、アジアなどの異文化への関心が広く庶民レベルで高まっていった19世紀。鉄道が発明されたイギリスで、カレーにとっての最大の発明が生まれます。それが「カレーパウダー」。それは、異文化が生んだ料理を身近にする発明でした。イギリス生まれのカレーパウダーは、その後、日本へも上陸を果たします。

19世紀初頭

イギリスのC&B社がカレーパウダー(curry powder)を作って売り出す

インド帰りの人が持ち帰るスパイスやマサラに注目して製品化したのがC&B社です。C&B社は、エドモンド・クロス(C)とトーマス・ブラックウェル(B)の2人の会社で、当初は食品の販売や仕出し(ケイタリング)などをしていましたが、そこで人気だったのがカレー料理。
このカレー料理に使っていた混合スパイスを家庭でも使えるようにと、「カレーパウダー」と名づけて販売したのです。詳しい発売年は不明ですが、19世紀はじめまでには広く流通していたようです。
「C&Bカレーパウダー」は、着実にイギリスの食生活の中に定着していき、その後ヴィクトリア女王の時代になると女王にも献上され、上流階級の間にも浸透していきました。
もちろん外国にも輸出され、フランスでもフランス料理にカレー風味を添えるものとして度々利用されるようになりました。ただ「フランス料理」という世界に冠たる世界をもつ彼らは、イギリス人のように、いわゆるカレーライスはあまり好まなかったようで、「インド風ソース」などと名づけて、ほのかな風味を楽しんだようです。

1810年

オックスフォード大辞典に「カレーパウダー」の語が登場する

イギリスの由緒ある辞典、『オックスフォード英語辞典(The Oxford English Dictionary)』によれば、イギリスの印刷物にカレーパウダーの語が1810年にはじめて登場するとなっています。

1870年

カレーパウダー日本へ

「C&Bカレーパウダー」は明治のはじめ(1870年ころ)には日本にもやってきています。はるか西洋から東洋の島国へ、しかも長い間鎖国をしていた国へ・・・そう考えると、かなりスピードの速い国内へのデビューといえます。

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