カレーの世界史 18世紀

この時代、世界をリードしていたのが大英帝国。アメリカとの独立戦争には敗れたものの、植民地はインド方面にとどまらずカナダまでにも広げていきます。世界の覇者として君臨するイギリスは、国内においても近代工業化の芽生えといえる「大衆消費社会」を迎えます。そんなイギリスに上陸したカレーは、時代の流れに乗って市民の食卓へと浸透していきます。

1747年

初めてイギリスの料理本にカレー料理が登場

ハナー・グラスという人の書いた料理本『The Art of Cookery Made Plain and Easy』が出版され(今も復刻版が売られています)、この中で、イギリスのクックブックとして初めてカレーが登場しています。
当時のレシピでは、「ペパー30粒、米大さじ1、コリアンダー適宜を炒ってからすりつぶして、肉にまぶし、水を加えて煮る」というもので、ご飯にかけて食べるというようなことは書いてありません。
ちなみにタイトルは「To make a Currey the India way」、curryではなくcurreyとなっています。

1772年

イギリス人ウォーレン・ヘースティングズ が混合スパイスと米をインドから持ち帰る

イギリス・東インド会社に勤めていたウォーレン・ヘースティングズが、インドからの帰途、インドの料理で使われる粉末の混合スパイスと米を持ち帰ったのが1772年。ヘースティングズが初めてインドに渡ったのは1750年ですから、この間にヘースティングズはインドで食べたスパイシーな煮込み料理を気に入ってしまったのでしょう。

ちなみに翌1773年、ヘースティングズは初代ベンガル総督(最初にイギリスが植民地としたのはベンガル地方)となって再びインドへと向かいます。

※掲載情報は2020年11月時点のものです。

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