現代日本のシチュー事情

カレーほどではないけどすっかりおなじみのメニューに

今からほぼ40年前、昭和41年(1966年)にハウス食品が、粉末状のシチュールウ「シチューミクス」を発売したころには、まだまだ日本の家庭の食卓ではシチューという料理はあまりなじみのないものでした。しかしこの40年の間に事情はすっかり変わりました。今ではカレー、ハンバーグ、とりのから揚げなどと並んで、シチューは日本人の食卓にはなくてはならないものになりました。実際シチュールウの購入率を見ても、4分の3の家庭が利用しているのです。クリームシチューは子供から高齢者にも食べやすくしかもカンタンにできる料理の1つとして人気が高いようです。

「汁物もの」感覚で、焼き魚と一緒に登場という「日本式スタイル」も

シチューが家庭の食卓でおなじみになるにつれて、日本人の“柔軟な発想とアイディア”も発揮されるようになりました。まず具材。かつてはじゃがいも、玉ねぎ、にんじんの定番に限られていましたが、最近はこの3品しか入れないという人のほうが少なく、自由にいろいろな具材をプラスする人が多くなり、さまざまな素材が自由に使われています。
また献立の中でのシチューの位置づけも自由な発想でそのときどきで変わります。ごちそうのメインディッシュとしてだけでなく、もっと軽い“洋風汁もの”感覚でもメニューに登場するようになり、それによってますますおなじみ度が増したともいえるようです。献立調査などでも、(そのメニューの良し悪しは別として)焼き魚とシチューというような献立も見られるようになってきました。

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