世界のカレー イギリス
イギリスの人口はヨーロッパで3番目に多く、その国土はイングランド、スコットランド及びウェールズのあるグレートブリテン島と北アイルランドからなります。国土面積は日本の約3分の2。イングランド人が全体の8割を占め、スコットランド人、ウェールズ人、アイルランド人の他にアフリカやインド、カリブ海諸国など旧植民地や中国からの移民も多く暮らしています。18世紀にインドからイギリスに渡ったスパイスは、その後イギリス人の手によってカレー粉というミックススパイスに発展しました。
イギリスのカレー紀行
イギリスには約8000軒のインド料理店がある
カレー粉誕生の国イギリスでは、当然のことながらカレー料理が盛ん。日本人のカレー好きには及びませんが、それでも平均月2〜3回はカレーを食べるそうです。凝った人になると、インド風カレーを目指して街のインド食材店でスパイスを買いそろえて「本格派」に挑戦しますが、一般的には、インド料理店がイギリスには約8000軒もあるので、外食メニューとして食されています。チキンカレーソースと長粒米のごはんがセットになった冷凍食品等もスーパーで売られていますが、家で作ることは少ないようです。
パブで飲んだ後の〆のカレー
イギリスのカレーの歴史は古いのですが、現在のようにカレーが人気を呼ぶようになったのは比較的最近で、年代的には40代以下の人たちにカレー好きが多いよう。とくに若者たちにはパブでお酒を飲んだ後、深夜1時、2時まで開いているインド料理店でシメにカレーを食べる、というスタイルが浸透し、「カレーは深夜に食べるもの」という人たちもいるようです。実際にイギリスのミステリー小説などには、刑事たちがパブで飲んでから(日本のラーメンのように)「カレーでも食うか」という描写が目につきます。
イギリスのカレー
チキンカレー
イギリスのカレーはフルーツの甘みに包まれたホットでスパイシーなタイプ。ソースは少々とろみがあり、口あたりは大変マイルドです。つけ合わせはトマト、きゅうりのヨーグルト和え、ココナッツ、レーズン、ピーナッツ、マンゴーチャツネ、バナナ。好みで玄米で食べる人もいますが、白いごはんで食べるのがスタンダードです。豆のカレーなども食べますが、代表格はチキンカレー。日本同様に海に囲まれた島国ですが、魚のカレーはほとんど作りません。
※掲載情報は2020年11月時点のものです。