【カレーの種類】もっと知りたい世界のカレー料理5種を解説!〜インド・タイ・ネパール〜

色とりどりのカレーと白いライスの写真

長らく続いているカレーブーム。専門店が増えていることに加え、レトルトやコンビニのお惣菜などでも、さまざまな特徴のある世界のカレー料理を目にする機会が増えてきました。そこでこの記事では「聞いたことはあるけれど、実はよく知らない」カレーの種類について解説。巷にはたくさんの種類のカレーがありますが、王道のインド、根強い人気のタイ、人気の高まるネパールから気になる5種をピックアップしました。

目次


聞いたことあるけど、実は知らないカレー料理【インド編】

● インドカレーの特徴

カレーと聞いて最初に思い浮かぶのは、やっぱりインド。東西南北に広い土地に多民族が住んでいるため、カレーの種類も実にさまざまです。北インドのカレーは、動物性の油脂や乳製品が使われることも多く、ムガル帝国時代の影響を受けたリッチなタイプの宮廷料理も現代に伝わっています。主食は全粒粉の無発酵パンのチャパティー(チャパーティー)です。対して米の種類が豊富な南インドでは、野菜や豆のカレーと共に炊いたごはんや、米と豆をペーストにして発酵させたものなどを食べます。東インドではシーフードカレーやマスタードオイルの香りの野菜カレー、西インドでは魚料理や野菜料理、ナッツや砂糖を多用して味を作るなどバラエティ豊かなインドのカレー料理。そんな中から、日本でも最近食べられる店が増えてきて、知名度が上昇中の3つをご紹介します。

【ビリヤニ】スパイスと米・野菜などでつくる炊き込みごはん

ビリヤ二の写真

ビリヤニ(ビルヤーニー)は、肉などの具材を米といっしょに炊いたり、汁気の少ないカレーと半炊きの米をいっしょに調理してからさっくりと混ぜたりした料理です。起源はムガル帝国にあるイスラム料理です。現代ではえびや魚や豆などさまざまな具材を使ったご当地ビリヤニもあり、インドでも日本でも大人気! 米と具材を層にして炊いたタイプのものは、炊き上がった時に米と具が混ざりきっておらず、まだらになっています。このタイプのものは、スプーンですくうごとに味の変化を楽しめることが醍醐味とされています。

【ポークビンダルー】ハマる人続出! 酸っぱ辛さが特徴のポークカレー

ポークビンダル―の写真

西インドのゴア州で生まれたカレーがポークビンダル―(ポークヴィンダールー)。ワインビネガーや穀物酢、スパイスなどで豚肉を漬け込んでから煮込む、ひと手間かけたカレーです。豚肉はマリネしてあるので、やわらかく、コクとうまみがたっぷりなのが特徴。酸っぱ辛くてメリハリある味わいは、「一度食べるとハマる味」と評判です。インドでは宗教上「豚は不浄の動物」とされてきたため、豚肉のカレーは珍しいのですが、ポルトガル領だった時代が長かったゴア州では、豚肉をワインビネガーに漬け込んでから煮込むポルトガル料理が伝わり、さらに香辛料が加わって進化していったものがポークビンダルーだと言われています。

【サンバル】豆と野菜を辛く酸っぱく調理した、南インドの飽きない定番カレー

サンバルの写真

サンバル(サーンバール)は、南インドの家庭で毎日のように食べられている野菜のカレー。豆と野菜を煮て合わせ、サンバルパウダーという料理用の辛い調合スパイスで味付け。カレーリーフというハーブが香り、マスタードシードやフェヌグリークなどのスパイスも味の軸になっています。豆の優しい味わいが引き立つカレー料理です。

【コラム】「ミールス」って、カレーの種類のこと?

ミールスとは、南インドの伝統的な「定食」を指す言葉。献立や料理を出す順番は、お店や作り手によって異なります。伝統的にはバナナの葉皿を使いますが、日本では最近ステンレスのワンプレートなどを使うレストランも増えてきました。ミールスに欠かせないのが「サンバル」で、ほかに豆のカレー「ダール」、トマトやにんにくなどを辛酸っぱく煮た「ラッサム(ラサム)」、野菜炒め「ポリヤル」、漬け物「アチャール」、ライスなどを盛り合わせます。食べる時は、ごはんとそれぞれのおかずを混ぜて口に運びます。ちなみにインド全般では、このような定食を「ターリー」と呼び、その中でも南インドのものをミールスと言います。

聞いたことあるけど、実は知らないカレー料理【タイ編】

● タイカレーの特徴

世界のカレーの中でも、根強い人気のタイカレー。肉、魚介、たけのこやきのこといった山の幸など具だくさんで、ココナッツミルクで甘みを加えたり、酸味の強い果実「タマリンド」であっさりとしたスープに仕上げたりするなど、バリエーション豊富です。そんなタイカレーの中から、数年前に日本でもブームにもなったマッサマンカレーについてご紹介します。また、意外に知らないレッド/イエロー/グリーンカレーの違いも解説します。

【マッサマンカレー】ペースト+乾燥スパイスで作るオリエンタルなカレー

マッサマンカレーの写真

一説によると、マッサマンとは「イスラム」という意味で、ペルシャやアラブなどのイスラム圏からやってきた料理がタイ南部に伝来し、地元の食文化と融合したカレー料理。10年ほど前に海外のグルメランキングで大きく注目されたことから、日本でも知られるようになりました。マッサマンカレーはカレーペーストだけでなく、カルダモン、スターアニス、シナモンなど、タイ料理ではあまり使わないドライスパイスが入っており、オリエンタルな香りが楽しめるカレーです。具は鶏肉や牛肉、じゃがいものほか、タイ南部特産のピーナッツを使います。ココナッツミルクもたっぷり加えるので、タイカレーの中でも甘くてマイルドな口当たりが特徴です。

【コラム】グリーン、レッド、イエロー、それぞれのカレーの違いは?

最大の違いはカレーの素となる「ペースト」を構成する材料。グリーンカレーペーストは青唐辛子やパクチー、レッドカレーペーストは乾燥した赤唐辛子、イエローカレーペーストはカレー粉やターメリックを使います。グリーン>レッド>イエローの順で辛く、イエローは日本のカレーの風味に近いまろやかな味わいです。

レッドカレーの写真

聞いたことあるけど、実は知らないカレー料理【ネパール編】

● ネパールカレーの特徴

ネパールはインドの北部に位置する国です。日本では「インド・ネパール料理」と看板を掲げるカレー店が多いため、ネパールでもインドと同じようなカレーが食べられていると思われがち。でもインドのカレーと違って、ネパールのカレーは寒冷な土地が多いため、にんにくが多く使われます。また、身体を温め、体力をつけてくれることで知られる、腹持ちのいいウラドダール(ケツルアズキ)がよく使われます。普段の具材は野菜や豆が多く使われ、主食は白いごはんのほかに、そば粉を練ったそばがきに似たディロや、全粒粉と水と塩で作るチャパティーもよく食べます。

【ダル】寒い冬も身体を温める素朴な豆カレー

ダルの写真

ダル(ダール)に使うウラド豆(ケツルアズキ)は、どっしりした味で腹持ちがいいのが特徴です。さらに身体を温めてくれる効果があるのも、冬の寒さが厳しいネパールの料理ならでは。にんにくをたっぷりと使うのもポイントです。最後にスパイスや香味野菜を熱した油を加えて仕上げます。味付けには乾燥させたネギを使用するなど、冬季に新鮮な野菜が少なくなる土地ならではの工夫がされています。

【コラム】ネパールの定食「ダル・バート」って知ってる?

ダルバートの写真

「ダル・バート」とは、豆のカレーとごはんをメインにしたネパール式の定食のことで、インドの「ターリー」のネパール版のようなもの。豆のカレー「ダル」とごはん「バート」、そのほかに「タルカリ」という野菜のおかず、「アチャール」という漬け物、「サーグ」と呼ばれる青菜の炒め物などが付きます。ネパールの家庭の味を楽しめる定食です。

*インド、タイ、ネパール以外のカレーについては、こちらの「世界のカレー」で紹介しています。

【番外編】ルウで作れる世界のカレーもチェック!

具材や味わいも多種多様な世界のカレーですが、実は市販のカレールウを使って手軽に作ることもできます。家でも本格的な味わいが楽しめるおすすめのレシピをご紹介!

監修者プロフィール

インド・スパイス料理研究家 香取薫さん

インド・スパイス料理研究家 香取薫さん

1985年、ボランティアで訪れたインドでスパイス料理に魅せられ、本格的に研究を始める。さまざまな地方を歩き、本場の家庭料理を習う。料理教室は1992年創業。2007年から南インド料理コースを開設。これまで数多くのカレー店主、料理インストラクターを輩出する。

※掲載情報は、2022年4月時点のものです

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