身の回りにあるパッケージの材料を使って、実験をしてみよう。
身近な材料にこんな特徴が!なんて、思わぬ発見があるかも。
発泡スチロールでスタンプをつくろう!
カップ麺のパッケージや魚市場などで利用されている発泡スチロール。
原料になっているポリスチレンの特性を利用して、スタンプをつくってみよう。
- ・発泡スチロール
・好きな形のシール(大きめのデザインのシールの方がきれいに作れるよ)
・かんきつ類の皮(レモンやグレープフルーツなど)
・野菜の皮むき器(ピーラー)
かんきつ類は、皮の内側に白い
うす皮が残らないくらい、
なるべく薄くむくのがポイントよ!
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- 発泡スチロールにシールをはる。
- レモンなどかんきつ類の皮をピーラーで薄くむく。
- むいた皮の内側を、シールを貼った発泡スチロールの上に塗るようにのせる。
- シールのない部分が溶け、シールがあるところと段差ができればOK。
- シールを取り除くと、スタンプの完成!
ハートのスタンプができたねー。
でも、なぜこんなことができるの?
発泡スチロールには
こんな特徴があるんだよ。
- 発泡スチロールの特徴
- ・保温性が高い
・軽い
・耐水性がある
・かんきつ類の皮に含まれている香りの成分でもある「リモネン」で溶ける
発泡スチロールは、ポリスチレンを発泡させて数10倍の体積に加工したものなんだ。軽量で保温性が良い等の長所があるけれど、リサイクルする上でかさばるのが問題なんだ。
リモネンに溶けるという性質を利用して、ジュース用みかんをしぼった後の皮からリモネンを採取し、かさを小さくして回収するといった工夫をしている業者もあるんだよ。
どんなかんきつ類が、発泡スチロールを溶かしやすいのか、試してみるとおもしろいね!
ただし、風船、プラモデル、家電製品など身の回りには、ポリスチレンやポリスチレンが混ざっているプラスチックが多く使われているので、大事なものを溶かさないように注意して実験してね。
段ボールを調べてみよう!
商品を運んだり保管したりと、さまざまな用途で使用される段ボール。最近は化粧箱など、パッケージにも段ボールが利用されているんだよ。実は、中の波々の数がだいたい決まっているって知ってたかな?
- ・いろいろな段ボール
・定規
段ボールは、中に波々があるから
強いのよね。でも波の数がだいたい
決まっていることは知らなかったわ。
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- 段ボールに定規をあて、30cmの長さにしるしをつける。
- 段ボールの端面を見て、30cm内に波々がいくつあるか数える。
下の表を見て、段ボールの種類と段の種類を判別できるかな?
AB段(ABフルート)と呼びます。
段の種類は30cmあたりの段の数と、段の高さにより下のように分類されます。
- 段ボールの特徴
- ・リサイクルできる。また、リサイクル原料が9割以上配合されている
・紙包装の中では丈夫
・軽い
・保管や荷扱いが簡単
段ボールには、折れにくい向き、折れやすい向きがあるんだって。簡単にわかるから、試してみてね。
段ボールは、世界中のあらゆる産業で利用されているよね。
日本工業規格(JIS規格)では、段の種類を共通にして、
構造などで誤解がないようにしているんだ。
それが、大量生産にもつながっているんだよ。
拡大して見てみよう!
いつもみんなが目にしているカレーの紙箱、わさびのチューブや小ぶくろ。拡大鏡で見てみると、大きな発見があるよ。
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・「バーモントカレー」「こくまろ」などの紙箱、「オーザック」などのふくろ、
「どこからでも切れる」という表示があるわさびなどの小ぶくろ、
わさびやからしなどのチューブ・拡大鏡(ルーペ、15倍以上がおすすめ)
・希ヨードチンキ
・ハサミ
1. 紙箱やふくろの印刷されている箇所、紙箱の裏面などを、拡大鏡でのぞいてみよう。
- 点の集合であることが観察できる
小さな点がいっぱいだぁ。
なぜ点の集まりがカレーの
写真に見えるの?
隣合わせに置かれた2つ以上の色は、遠くから見ると1色に見えるんだ。「色の三原色」という原理に従い、包材メーカーで各色の版を作製。これらを重ね合わせることで、さまざまな色を表現しているんだよ。
2. 紙箱の裏面を、拡大鏡でのぞいてみよう。
いろいろ混ざっている再生紙
であることが観察できるね。
段ボールなどもめくって、
内側を観察してみよう。
3. 「どこからでも切れる」という表示があるわさびの小ぶくろを、拡大鏡でのぞいてみよう。
小さな穴がたくさん入っているから、
どこからでも切れるんだよ。
穴の大きさは0.2〜0.3mm
程度なんだ。
4. 使い終わったわさびやからしなどのチューブの切り口を、拡大鏡でのぞいてみよう。
- チューブ胴部を輪切り
- 端面を希ヨードチンキにつける
- 水で希ヨードチンキを軽く
洗い流して、輪切り端面をのぞく
中間の層が染まっていることが観察できるよ。
これが、わさびやからしの香りを逃さない層なのよ。