「赤い」カレー&AIが診断するルウの混ぜ合わせ⁈ジャパニーズカレーフェスティバル2025レポ

「赤い」カレー&AIが診断するルウの混ぜ合わせ⁈ジャパニーズカレーフェスティバル2025レポ

2025年7月24日から8月31日まで開催された、「JAPANESE CURRY FESTIVAL(ジャパニーズカレーフェスティバル)2025」 。同イベントのオープニングを飾るのは、ハウス食品株式会社協賛・「おうちカレーの世界」展。常に進化する日本の「おうちカレー」の今とは? ライター・地主恵亮(じぬし・けいすけ)さんが潜入リポート!

日本のカレー文化を渋谷から発信!JAPANESE CURRY FESTIVALとは

ライターの地主 恵亮さん
どうも、この記事を書いている地主です!

私はカレーが大好きだ。子どものころは小学校の給食がカレーならば大喜びし、夕食がカレーならば号外を配りたいほどに喜んだ。今も変わらずカレーは好きで、自宅でカレーを作ることも多い。おうちカレーの素敵な点はカレールウを使えば、まず間違いなくおいしいカレーが完成する点だ。

基本的にはどれか一つのルウを使い箱裏面の説明通りに作るのが私流だ。

バーモントカレーのパッケージ裏面
裏面にある通りに作るのがおいしい!

そんな私の耳に何やら「JAPANESE CURRY FESTIVAL2025」(以下、「ジャパニーズカレーフェスティバル」)なるものが開催されるとの噂が。

調べてみたところ、「ニッポンのカレー⽂化を、ニッポンから国内外へ発信する」をテーマに、渋谷を拠点として、日本のカレーの魅力や多様性を紹介するイベントらしい。

5回目となる今年は、オープニングとしてハウス食品さんプレゼンツ「おうちカレーの世界」が開催されるとのこと。まさに日本の国民食ともいえる「おうちカレー」にフォーカスして、その可能性と未来を楽しみながら体験できるというのだ。

さらなるおいしいおうちカレーを求める私にとって、これは見逃せない! というわけで、その様子をリポートしていきたい。

ダッシュする地主さん
ダッシュで行ったよね!

クレヨンしんちゃんも登場?ゲストが語るカレー愛

オープニングイベント「おうちカレーの世界」の会場は、渋谷の「SHIBUYA XXI」。

SHIBUYA XXI(エックスエックスアイ)
会場はサイバー感あるね!

24日は初日ということもあり、なんとオープニングセレモニーに「クレヨンしんちゃん」のしんちゃんが登場! カレーと同じくらいしんちゃんが好きな私としてはうれしいサプライズ……! 8月公開『映画クレヨンしんちゃん 超華麗!灼熱のカスカベダンサーズ』でインドが舞台なので、カレーつながりでかけつけて来てくれたようだ。

踊っている「クレヨンしんちゃん」のしんちゃん
しんちゃーん!!!

しんちゃんは踊り終わると「中辛もいけるお年頃」と言っていた。しんちゃんは甘口だけではなく、中辛もいけるのだ。私も中辛もいけるお年頃。カレーだけで見れば、私はもはやしんちゃんと言っても問題ないだろう。

お次は、カレー愛あふれるゲストとハウス食品さんによる「おうちカレー」トーク。司会を務めるのはカレーやスパイスにちなんだ音楽制作活動を行なっているアーティスト・かりぃーぷぁくぷぁくさん。

7月24日の「おうちカレー」トークの様子
7月24日に行われた「おうちカレー」にまつわるトーク。左から、かりぃーぷぁくぷぁくさん、小宮山雄飛さん、ハウス食品株式会社 髙田浩平さん、松本芽生子さん

1日目は音楽ユニット「ホフディラン」の小宮山雄飛さんが登壇。小宮山さんはカレーのレシピ本を執筆するなど音楽界でも屈指のカレーマニアだ。

小宮山雄飛さん

昔はもっと尖った感じのカレーを作っていたんですけど、だんだんみんなが食べて、普通においしいカレーっていうのを作りたいと思うようになって。そうすると、結局、具材はじゃがいも・玉ねぎ・にんじんで、ごはんの上にルウをかけて食べる「おうちカレー」に行き着いちゃうんですよね。

わかる、結局シンプルな家のカレーが一番おいしいのです!

7月25日の「おうちカレー」トークの様子
7月25日に行われた「おうちカレー」にまつわるトーク。左から、かりぃーぷぁくぷぁくさん、内藤裕子さん、ハウス食品株式会社 光安真佐子さん、金高千佳さん

2日目のゲストは「カレーアナ」ことアナウンサー・内藤裕子さん。内藤さんもカレーレシピ本の執筆や、レトルトカレーの商品開発など、カレー愛は随一。

内藤裕子さん

私は味噌汁を作るような感覚で、いろいろなおうちカレーを作りたいなと思っているんです。ルウを使ったいわゆる日本のカレーだったり、スパイスカレーだったり……。最近は、ひきわりの納豆を使ったキーマカレーがマイブームです!

「カレーに納豆?」と思う人もいるかもしれないが、たしかにカレーと納豆は相性がいい! 私のお気に入りの組み合わせの一つだ。

ポーズを決める地主さん
いざ、気になるブースへ!

カレーへの想いを口々に語るゲストの皆さん。そんな“カレー熱”が感じられる会場では、面白そうな展示が目白押し! さっそく見ていきたい。

「見た目」も「味」も楽しめる!赤・白・黒カレーとは

『レッドカレー』『ホワイトカレー』『ブラックカレー』を指差す地主さん

会場内でひときわ目を引いたのが、赤・白・黒に彩られたブース。近づいてみると、各カラーのカレールウのパッケージの山々が。

これは、その名も『レッドカレー』『ホワイトカレー』『ブラックカレー』で、名前の通りルウの色が赤・白・黒なのだ。

昨年期間限定で発売された「ホワイト」と「ブラック」が2025年7月から通年販売になり、さらには「レッド」が新登場したという。

山積みになった『レッドカレー』のパッケージ
真っ赤なパッケージが目を引く『レッドカレー』(2025年7月に販売開始)

赤・白・黒カレーを実食!

会場では試食もできるというので、赤白黒カレーにいざ初挑戦!

『ホワイトカレー』『レッドカレー』『ブラックカレー』の試食
左から、『ホワイトカレー』、『レッドカレー』、『ブラックカレー』

まずは赤から! 想像以上に赤いが、辛くはないのだろうか……

『レッドカレー』を食べようとする地主さん

おいしい……!

『レッドカレー』を食べて笑顔の地主さん

一口食べると、えびの旨みが口いっぱいに広がる。意外とマイルドではあるが、じんわりと辛く、後味にもえびの香りの余韻が。「赤」というと、唐辛子を連想するが、これはまさにえびの赤なのだ。

赤といえば、トマトなどの食材も思いつくが、なぜ“えび”なのか? ハウス食品の方にお話を聞いた。

ハウス食品

カレーの定番具材といえば、じゃがいも・玉ねぎ・にんじん+肉というイメージがありますが、カレーの新しい楽しみ方や、具材の多様性をお客さまに知っていただくために、赤い食材の中でもえびを選びました。 このカレーはえびと玉ねぎだけで作れるのですが、火通りが早く、長時間煮込む必要がありません。そんな調理の手軽さも魅力の一つです!

『レッドカレー』のパッケージ
この赤はえび由来の色なのだ

色のインパクトもさることながら、その味わいはしっかり本格的だ。

ハウス食品

えびの旨みとスパイスとの組み合わせには特にこだわっています。ポイントはマスタードシード。炒るととても香ばしく、えびの殻の焼いた香りにも似ているので、えびとの相性もよく、素材の旨みを引き出してくれます。南インドなどの魚介料理にはマスタードがよく使われているのですが、そこからヒントを得ました。

この味が家で簡単に再現できるのはうれしい!

さて、次はホワイトカレーを実食!
見た目は完全にシチューだが、本当にカレーなのか……?

『ホワイトカレー』を食べた地主さん
おいしすぎると出てしまう、このポーズ

おいしい! まろやかでありながら、コクのある味わい。そして、鼻に抜けるクミンやカルダモンのさわやかな香りがクセになる。見た目は白いが、しっかりとカレーの味なので頭が少しバグる。シチューをごはんにかけるのはどうなのか、よく話題に上がるが、これはちゃんとカレーなのでOK(?)だ。

いよいよ最後は、ブラックカレー!

黒色のインパクトが強いが果たして……

『ブラックカレー』を食べた地主さん
またもやおいしすぎて、このポーズに……

一口食べて分かる、この濃厚さ……! ローストオニオンの香ばしい旨みが凝縮されていて、そこにブラックペパーや唐辛子などのスパイスが加わり、最高においしい。まさに洋食屋で食べるシェフの味だ。というか、シェフがこれを使っていても不思議ではないくらい。私、ブラックカレー大好きです。

カレーの“色”にも選択肢を。赤・白・黒カレー開発に込めた想い

このように3種類ともそれぞれ異なる見た目と味わいで楽しめるのがうれしい! しかし、そもそもなぜこのようなルウの開発に至ったのだろうか?

ハウス食品

カレーは食卓の定番ですが、イベントや特別な日にも作ってもらうには?——そう考えたときに思いついたのが、カレーの“色”を変えることでした。 カレーといえば茶色のイメージですが、もっと見た目の選択肢が増えれば、カレーをもっと自由に楽しんでいただけるはず。 その色味を実現するために、何種類ものスパイスの組み合わせを試行錯誤しながら生まれたのがこのラインアップなのです。

ハウス食品さんのこだわりと想いが詰まった赤・白・黒カレー。見た目や味わい、それぞれ異なる魅力が楽しめる。その日の気分で選べるように、3つとも常備しておきたいと思う。

『レッドカレー』『ホワイトカレー』『ブラックカレー』

ルウを混ぜて新しいおいしさを生み出す——「ルウミックス」の魅力

2つ目に紹介したいのは「カレールウの混ぜ合わせ(ルウミックス)」。ルウの混ぜ合わせとは、例えば『バーモントカレー』と『ジャワカレー』のように、異なるルウをミックスすることだ。

ハウス食品さんの調査によると、なんと「41.6%」の人が日頃からルウをミックスしているとのこと。

おうちカレーに関する調査結果を示すデータ。ルウ購入者のうち41.6%が「ルウミックスを日頃から実践している」と回答。その理由は1位「おいしくなるから」、2位「自分好みの味になるから」、3位「コクをつけたいから」。年代別では50代43.3%、60代46.9%、70代48.5%と高年層ほどルウミックスを行う人の割合が増加。地域別では北海道46.3%、近畿45.4%、四国43.6%と、他の地域より高い結果となった。
このようなデータがございます!

※1つの銘柄で、複数の辛さタイプを混ぜ合わせるor2つ以上の銘柄を混ぜ合わせると答えた方
出典:ハウス食品㈱調べ(2024年11月 20-79歳男女、全国、直近6ヶ月ルウカレー購入調理者 6000s)

ハウス食品

ハウスのカレールウは、長年研究を重ねてたどり着いた理想の味ですので、パッケージ通りに作っていただくと、本来のおいしさをお楽しみいただくことができます。ただ、ルウを混ぜ合わせることで意外なおいしさを発見できるのも、カレーの自由な楽しみ方の一つだと思っています!

なるほど……! 冒頭でも述べたように、私はパッケージの裏面通りに作る派だが、今やおうちカレーのトレンドは、ルウミックスなのかもしれない。

ルウミックスのカレーを実食!

会場では、なんと2パターンのルウミックスのカレーも試食することができた。

一つは『バーモントカレー<中辛>』×『ジャワカレー<中辛>』を1:1の割合で、もう一つは、『バーモントカレー<中辛>』×『こくまろカレー<中辛>』を1:1の割合でミックスして作られたカレーだ。

ルウ混ぜ合わせの試食
試食します!!!

まずは、『バーモントカレー<中辛>』×『ジャワカレー<中辛>』から。定番同士の組み合わせだが、いかに……?

『バーモントカレー<中辛>』×『ジャワカレー<中辛>』を食べる地主さん
辛さとまろやかさが互いを引き立て合う!

これはおいしい……! まろやかなバーモントカレーに、さわやかな辛さのジャワカレーが合わさって、絶妙なキレを生んでいる。スパイシーな香りと味わいがさらに食欲をそそる。

次は、『バーモントカレー<中辛>』×『こくまろカレー<中辛>』。

『バーモントカレー<中辛>』×『こくまろカレー<中辛>』を食べる地主さん
優しい味わいに思わず笑みがこぼれる

また違った味わいでおいしい……! まさに「マイルドのお手本」とも言いたくなるような、深みのあるやさしい味だ。コクとまろやかさが際立つ組み合わせなので、朝カレーにでも食べたくなる。

どちらもベースはバーモントカレーだが、組み合わせによってこんなにも味わいが異なることに驚きだ。

234通りの中から、自分だけの組み合わせが見つかる!AIルウミックスメーカー

とはいえ、自分でルウをミックスするとなると、どれを混ぜたらいいのか……? そんな疑問を解決してくれるのが、この「AIルウミックスメーカー」という診断サービス。

会場に展示されていたAIルウミックスメーカー
会場では、AIルウミックスメーカーを体験することができた

7つの質問に答えると、計13品目ののカレールウを使った234通りの組み合わせから、自分の好みや気分に合ったルウミックスを提案してくれるそうだ。

さっそく試してみたところ、私の場合は『こくまろカレー<中辛>』:『ジャワカレー<スパイシーブレンド>』=1:2という結果になった。

地主さんの診断結果
私はこうなりました!

ハウス食品の方にお見せしたところ、こんなリアクションが。

ハウス食品

これはなかなか珍しいですね! 『ジャワカレー <スパイシーブレンド>』の比率が多いので、辛さは結構強めです。そこに『こくまろカレー』が加わるので、スパイシーさとコクの両方が楽しめるカレーです。

イベント後、実際に自宅で作って食べてみたのだけれど、確かにめちゃくちゃ辛い! でも辛さの中にコクがあり、不思議とハマるおいしさ。

一つひとつのルウだけでもおいしいが、混ぜ合わせることで、新しいおいしさに出逢える。ルウミックス、奥が深くて面白い!

▼ルウ混ぜ合わせについてもっと知りたい方はこちら

無限に広がるおうちカレーの可能性

来場者のアンケート回答をながめる地主さん

カレーの試食でお腹もいっぱいになったところで、会場を改めて見回してみると、来場者からの「#うちのおうちカレー」アンケート結果がそこかしこに貼ってある。自分にとっての「おうちカレー」について、思い思いに書いてあるようだ。

なかには、「関西出身なので生卵を絶対に入れます」や「実家のカレーにはサザエが入っています」など、意外な回答も。そう、この自由さがいいのだ。

会場内でポーズを決める地主さん
初めてのジャパニーズカレーフェスティバル、楽しかった!

このジャパニーズカレーフェスティバルで、「おうちカレーの楽しみ方は自由で、可能性は無限大」ということを改めて感じた。私も、自分なりのおうちカレーを探求していきたい。おいしさの可能性もまた、無限大だから。

おうちでカレーを食べている地主さん
おうちカレーは最高よ!!!

▼過去のイベントレポートはこちら

地主さんのプロフィール画像

地主 恵亮(じぬし けいすけ)

ライター
1985年福岡県生まれ。企画を考えたり、原稿を書いたり、写真を撮ったり、動画を作ったりして生活している。著書に「妄想彼女(鉄人社)」、「ひとりぼっちを全力で楽しむ(すばる舎)」、「わたしたちの地域デザイン(東京農業大学出版会)」などがある。

※掲載情報は、2025年9月時点のものです。

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