【カレーのシミ抜き】液体洗剤でOK!出先での応急処置まで、洗濯のプロが解説

【カレーのシミ抜き】液体洗剤でOK!出先での応急処置まで、洗濯のプロが解説

「思い切りカレーを食べたら、うっかり服にカレーがついてしまった!」「カレーのシミがなかなか落ちない!」という経験はありませんか?
通常の洗濯では落ちにくいカレーのシミを、出先などでの応急処置や、家にあるもので誰でも簡単に落とす方法について、ライオン・お洗濯マイスターの大貫和泉さんに教えていただきました。

【注意】シミ抜き前に洗濯表示をチェック

「家庭での洗濯禁止」の洗濯表示の画像

シミ抜きをする前に、ご家庭で洗濯できるかどうか、衣類の洗濯表示をチェックしましょう。
上記のマークがある場合、ご家庭での洗濯はNG。早めにクリーニングに出すことをおすすめします。

【出先などでの応急処置】ティッシュと水で即対応!

出先でうっかりカレーをこぼしてしまった時は、ティッシュと水があればすぐに応急処置が可能! このひと手間を挟むだけで、帰宅後のシミ抜きが格段に楽になり、シミが落ちやすくなります。

<用意するもの>

ティッシュペーパー、水の画像

・ティッシュペーパー(お店の紙ナプキンでも可)
・水(ぬるま湯があればより効果的◎)

【注意】お店で提供されるおしぼりは使用NG!

お店で提供されるおしぼりは、塩素系漂白剤で処理されていることも。その場合、色柄部分が色落ちすることがあるので使わないようにしましょう。

(1)カレーをティッシュでつまみ取る

カレーをティッシュでつまみ取る様子
ゴシゴシこすると、シミが広がってしまうので注意!

衣類についたカレーのルウや具材を、ティッシュでやさしくつまみ取ります。

(2)シミを水で濡らしたティッシュでつまむ

水で濡らしたティッシュを汚れ部分に当てる様子
ハンドソープなどを使うとかえって輪ジミになってしまうことも。

水で濡らしたティッシュでシミの部分をつまみ、汚れをティッシュに吸い込ませます。

(3)乾いたティッシュで押さえて水分を吸い取る

乾いたティッシュでシミ部分を押さえ、なるべく水分を吸い取ります。
帰宅後は、なるべく早めに次にご紹介する基本のシミ抜きを行いましょう。
(時間が経つとシミの落ちにくさはどう変わる?気になる実験結果はこちら

▼応急処置をしたシミ

応急処置をした衣服の画像
シミが薄い黄色になっていればOK。この後、洗濯・天日干しをすれば、ほとんど落とせる場合が多いです。

【基本のシミ抜き】いつもの洗濯洗剤でOK!

自宅など、すぐに洗濯ができる環境ならこちら! の基本のシミ抜き方法がおすすめ。特別なものは必要なし! 普段お使いの洗濯用液体洗剤だけで手軽に実践できます。

<用意するもの>

液体洗剤(今回はライオン「NANOX one PRO」を使用)、スポンジ、ティッシュ

・洗濯用の液体洗剤(あれば液体酸素系漂白剤)
・ティッシュペーパー
・スポンジ(もしくは、タオルやハンカチ)
※衣類の洗濯表示を確認し、「中性洗剤使用」の表示があれば、中性の液体洗剤あるいはおしゃれ着用洗剤をご使用ください。

(1)カレーをティッシュでつまみ取る

カレーの汚れをティッシュでつまみ取る様子
ゴシゴシこすると、シミが広がってしまうので注意!

衣類についたカレーのルウや具材を、ティッシュでやさしくつまみ取ります。
※汚れが裏側に移らないよう、衣類の間にタオルを挟んでから行うのがおすすめです。

(2)シミに液体洗剤をつける

シミの部分に液体洗剤をかける様子
洗剤の原液を直接かけることで、高濃度の状態で汚れに作用し、シミを引き剥がす効果がUP!

液体洗剤をキャップに適量取り、シミが覆われるくらいの量を塗布します。

(3)スポンジの柔らかい部分でポンポンとたたいてから、5分程置く

シミ部分をスポンジでたたく様子
洗剤が水で薄まらないよう、スポンジは濡らさずに使うと◎

乾いたスポンジの柔らかい部分でシミをポンポンとたたき、洗剤を繊維の奥まで浸透させます
(タオルやハンカチを使う場合は、小さく三角に折りたたみ、その先端で叩く)。
シミのサイズが大きい場合は、周りから中心に向かってたたき、汚れを広げないようにしましょう。

スポンジでたたいたら、5分程度置き、洗剤を染み込ませます。
※長時間つけたままにすると衣類を傷める恐れがあります。

スポンジでたたいた後のシミ
スポンジでたたき、5分程度置いた後のシミの様子。このくらいの薄さになったら(4)へ

(4)いつも通りに洗濯し、天日干しをする

(3)まで行ったら、ほかの衣類と一緒にいつも通りに洗濯し、天日干しで乾かします。
カレーの黄色い色素は、紫外線を受けると色素本来の色が失われてシミが薄くなります。洗濯後にうっすらシミが残っていても、諦めずに天日干しを試してみましょう。
(なぜカレーのシミには天日干しが効果的なの? 気になる理由はこちら

結果:液体洗剤だけでこんなにきれいに!

シミ抜きのビフォーアフターの画像(縦2分割)
  • ▼液体洗剤はライオンの「NANOX one PRO」がおすすめ

    ライオンの「NANOX one PRO」は、新酵素で菌の根幹まで分解し、黄ばみ・ニオイを徹底的に除去! カレーのシミだけではなく、時間がたった食べこぼしや頑固な部屋干し臭、しみこんだ汗臭、蓄積した黄ばみにもおすすめです。

それでも落ちない場合は「つけ置き洗い」を!

時間がたって落ちにくくなったシミや、子どもの食べこぼしなどで広範囲についたシミには、液体酸素系漂白剤を使ったつけ置き洗いがおすすめです。
酸素系なら、色柄ものにも安心して使えます◎
※洗濯表示で 漂白不可のマーク のマークがあるものは、漂白剤の使用はできません。

<つけ置き洗いの方法>

(1)シミに液体酸素系漂白剤をつける

(2)濃いめの洗剤液(※)に30分〜2時間つけ置きする
※ぬるま湯5Lに対して、液体洗剤をキャップの「水30L用」の目盛りまでの量を溶かす

(3)洗剤液ごと洗濯機に投入し、洗剤を加えずに洗濯した後、天日干しする
※ドラム式洗濯機では洗剤液がこぼれる可能性があるため、衣類だけを軽く絞って入れてから、通常通り洗剤を加えて洗濯してください

【Q&A】カレーのシミ抜きのよくある疑問にプロが回答!

カレーのシミ抜きをする際「これってどうなんだろう?」と迷いがちな疑問に、洗濯のプロ・大貫さんが回答します。

Q1. カレーのシミが落ちにくいのはなぜ?

A. カレーの色素は「水に溶けにくく、油に溶けやすい」性質があるため
カレーに使われるスパイス「ターメリック」に含まれるクルクミンは、油に溶けやすく、水には溶けにくい性質を持っています。
そのため、通常の洗濯では汚れが水に溶け出さず、シミを落とすことが難しいのです。

Q2. カレーのシミは、日光に当てると薄くなるって本当?

A. カレーのシミの色素は日光に弱いため、天日干しがおすすめ
カレーのシミが黄色いのは、「ターメリック」に含まれるクルクミンという色素によるもの。クルクミンは、紫外線を受けると徐々に構造が変化し、色素が失われていきます。そのため、カレーのシミがついた服は、外干しして日光に当てるとよいでしょう

カレーをつけた布の外干しまたは部屋干し後の比較画像
出典:ライオン株式会社「Lidea」

※1 衣類によっては紫外線で色あせる場合があるため、洗濯表示を確認し、「陰干し」の指示がある場合はそれに従いましょう。
※2 検証実験条件:綿布にカレーのシミをつけ、汚れをティッシュでつまみ取ったあと、標準コースで洗濯し、外干しまたは部屋干しした。

Q3. カレーのシミ抜き、帰宅後すぐやるべき? 翌日でも間に合う?

A. ベストなタイミングは「帰宅後すぐ」ですが、難しい場合でも、2〜3日後くらいまでには処置すると良いでしょう。
カレーの汚れは時間が経つと変質し、繊維の奥深くに入り込んで落ちにくくなってしまいます。

シミの落ちやすさに対する時間経過の影響
出典:ライオン株式会社「Lidea」

※<実験方法>白い肌着(素材:綿)に、市販のカレーを付着させ、屋内にて所定時間放置。その後、衣料用洗剤を用いて洗濯機にて洗濯。なお、写真中の黒い点は目印としてつけたマジックの印。

Q4. 洗濯機で「シミ」が落ちやすくなる裏ワザはある?

A. シミがついた衣服を洗濯機の底(もしくは外側)に入れると◎
縦型洗濯機の場合:底にある回転羽根(パルセーター)付近が最も水流が強く、汚れが落ちやすいため、シミ部分を底に向けるようにして一番下に入れると良いでしょう。
ドラム式洗濯機の場合:洗濯物の量にもよりますが、詰め込み洗いをしがちな家庭は、できるだけドラムの「一番外側」にシミつきの衣類を入れるのがおすすめです。

 


 

落ちにくいと思っていたカレーのシミも、シミ抜きの方法がわかればもう怖くない! お店のカレーや汁はねしやすいカレーうどんも、思いっきり楽しんでくださいね。
※記事で紹介した方法ではシミが取れない場合、また大切な衣類の場合は、無理に汚れを落とそうとせずクリーニング店にご相談ください。

▼シミ抜きの方法を知れば、汁はねが気になるカレーうどんも安心して食べられる!

▼【逆転の発想】シミを気にせず思い切り食べられる!?「ホワイトカレー」もぜひお試しあれ♪

監修者プロフィール

大貫和泉さん

大貫 和泉(おおぬき いずみ)

ライオン株式会社 お洗濯マイスター
消費生活アドバイザー、繊維製品品質管理士、健康予防管理専門士。洗濯用洗剤などの製品開発・調査に約20年携わる。2児の母親としての経験と研究活動を融合し、主婦・母親・女性の目線で日々のお洗濯に役立つ情報を発信している。

※掲載情報は、2025年12月時点のものです。

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