プライムカレーの開発

ルウカレーが発売されてから約50年、その間味覚面での絶え間ない改良は行われているものの、形状や製品形態など基本構成は変化がありません。ルウカレー市場が飽和に近づいていく中で、新たな起爆剤として開発した製品がプライムカレーです。

ルウカレーにおける油脂の役割

カレールウは香辛料を筆頭に様々な原料をまとめ、独特な風味に作り上げた調味料ですが、その中で油脂は以下の役割を担っています。

  • 風味の一体化。加熱調理時均一に熱を伝える機能。
  • おいしさ、まろやかさ、コクの付与。
  • ルウの形態保持。調理時の溶けやすさ。

特にルウカレー発売当初は、油脂の栄養源としての価値が大きかったこともあり、30%を超える油脂量の製品が主流になっていきましたが、油脂の増加は香辛料の香りを弱めてしまい、風味の面から最適な油脂量の研究も進めてきました。
その結果、油脂を減らすことで、香辛料が持つ特徴的で繊細な風味が強まりますが、減らし過ぎても全体のバランスが悪くなることがわかってきました。

従来比油脂50%低減のルウカレー

ルウ市場成熟のなかで、カレー本来の美味しさを見つめなおし、スパイスの香り立ちに着目し、また健康志向への関心の高まりから、「従来比油脂50%オフによるおいしさと低カロリー」、というコンセプトでの製品開発を始めました。
この開発での課題は、お客様が慣れ親しんできた固形ルウの使い勝手は活かしつつ、流動性が低下したルウ原料を如何に製品にパッケージするか、という点でした。通常は加熱によりルウが液化し、攪拌やポンプ搬送が容易ですが、油脂を半減したものではパサパサとした物性で搬送が困難となります。

ルウ物性の違い

バーモントカレー

製造時

写真:バーモントカレー 製造時

油脂の溶解 により液化

製品形態

写真:バーモントカレー 固化後製品形態

油脂由来の光沢をもつ

プライムバーモントカレー

製造時

写真:プライムバーモントカレー 製造時

油脂が少なく、パサパサした物性

製品形態(2006年春~2015年春)

写真:プライムバーモントカレー 成形後製品形態

粉末を固めた乾いたような外観

元々油脂量が少ない「シチューミクス」の製造技術を利用することと、他業種で実用化されていた圧縮成形技術を応用することで製造工程の実現に目処をつけました。

粉砕

製品形態(2015年春~)

写真:プライムバーモントカレー 成形後製品形態

使いやすいさらさらした粉末状

ルウを粉砕することで、さらさらした粉末状のルウにしました。溶かしやすく使いやすいマイクロ粉砕ルウに進化しました。

既存ブランドの継承と、新たなチャレンジ

伝統あるブランドの継承

油脂半減による物性変化へ対応しつつ、風味面では長年ハウスのルウカレーに親しんで来られたお客様にもスムーズに受け入れられるよう、これまでハウスが培ってきた風味調製技術を土台として、油脂低減により香辛料の香り高さと、野菜・乳製品原料の旨味を十分に引き出した新たなおいしさを作り出しています。図はカレーソースを口に含んでからの味の感じ方のイメージです。これまでのルウカレーでは、一体感のある、特に後半に持続する力強い風味が特徴です(図中緑線)が、プライムカレーではこの最初に感じる香辛料の繊細な香りを活かしつつ、中後半に感じる味の厚みをつけ、後半のすっきりとした風味に仕上げました(図中赤線)。ぜひ従来品との味の違いを確かめてみてください。

図:カレーソースを口に含んでからの味の感じ方

写真:プライムカレー試作品の試食風景

プライムカレー試作品の試食風景

新規な製品形状・容器形状の開発

カレールウは何皿分かを一度に調理することが多いですが、濃さの調整など、より小さな単位で使う場面もあります。以前は固形ルウとしていましたが、使いやすさの更なる向上を目指して、2015年春より、マイクロ粉砕ルウを小袋に分包した形態へと生まれ変わりました。
小袋は、持ちやすく開封しやすい大きさにしています。
外袋は背中の部分を横に裂いて開き中の小袋を取り出す構造とし、開封しても製品の表示が見にくくならないようにしています。
未開封の小袋は、外袋に収納したまま常温で保存できます。

写真:プライムバーモントカレー製品形状

関連特許

  1. 特許第4582805号:低油脂固形ルウの製造方法及び低油脂固形ルウ
  2. 特許第4584866号:低油脂固形ルウ
  3. 特許第4646321号:低油脂固形ルウの製造方法
  4. 特許第4892042号:低油脂固形ルウの製造方法
  5. (審査中)特開2013-110982:低油脂ルウ

学会発表

  1. 第22回 日本香辛料研究会(2007年):油脂を低減した固形ルウ製品「プライムカレー」の開発研究:小見山 雄介

受賞

  1. 2006年 日本経済新聞社 日経優秀製品・サービス賞 日経MJ賞
  2. 2006年 日本食糧新聞社 第20回新技術・食品開発賞
  3. 2008年、2009年 モンドセレクション 金賞(4品)、銀賞(2品)

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