ねぎ
関東主流の根深ねぎと関西主流の葉ねぎ
ねぎの緑の部分にはビタミンCや葉酸、βカロテンが含まれ、白い部分には硫化アリルという辛味成分が多く含まれます。硫化アリルにはビタミンB1の吸収を助けて疲労回復を促す、食欲増進などの効果があるとされています。
1.どんなねぎ選んでる?
葉
肉厚で、先の方まで緑が濃く、ぴんとしているものを。白い斑点が出ている、黄ばんで乾燥しているものは避けましょう。ただし、下仁田ねぎは例外で、霜にあたって葉が枯れたようになったものがおいしいです。
緑と白のさかいめ
緑と白のコントラストがくっきりとあざやかなものを選びましょう。
白い部分
ツヤとハリのあるもの、重いもの、触ってみてよく締まった感触があるものが良品。白い部分が長くて弾力があるものを選びましょう。
根もと
乾燥していないほうが新鮮です。
葉ねぎの葉
先から根元近くまできれいな緑色のものを選びましょう。
2.保存&下ごしらえのコツ
寝かせずに立てて野菜室へ!
ねぎを寝かせておくと、生えていたときの姿勢に戻ろうとしてエネルギーを消費し、長持ちしなくなります。新聞紙で包み、冷蔵庫の野菜室か涼しいところに立てておきましょう。長すぎて野菜室に入らないときは、緑の部分を切り離し、ポリ袋で別に保存しましょう。
葉ねぎは湿らせた新聞紙に包んで
葉ねぎは痛みやすいので、全体を湿らせた新聞紙に包み、冷蔵庫の野菜室に立てて保存。できるだけ早めに食べきりましょう。
泥つきねぎの上手な保存法
泥つきねぎは、葉の部分を出して土に埋めておくと長持ちします。土がないときは、泥つきのまま新聞紙に包み、葉先だけ出して立てておきます。使うときは、表面をサッと洗い、外側の皮を一枚むいて調理しましょう。
切り方で辛み、甘みを生かす
辛みを生かしたいときは、白髪ねぎや小口切りなどに。細かく切ることで辛みが増します。辛みは有効成分でもあるので、水にさらす場合は長くても3分以内をめどに。逆に、ぶつ切りにして加熱すると、辛みはあまり出ず、まろやかな甘みを楽しめます。
使いかけはラップして冷蔵庫へ
使いかけのものは、切り口が乾かないようにぴっちりとラップで包み、冷蔵庫に立てて保存しましょう。
余ったときは冷凍保存
ねぎが余りそうなときは、小口切りや白髪ねぎに。水にさらしてよく水気を切ってから、冷凍用ポリ袋に入れて冷凍保存。凍ったまま調理に使えます。
3.品種と旬
各地で独特の品種が作られ、食べ比べるのも楽しいのがねぎ。大きく分けて、白い根の部分が多い根深ねぎ(白ねぎ)と、緑の葉の部分を食べる葉ねぎ(青ねぎ)があります。関東では根深ねぎ、関西では葉ねぎが好まれる傾向があります。
千住ねぎ
旬:11月〜2月 / 主な生産地:埼玉県、千葉県、東京都など
根深ねぎの代表的な品種。江戸時代から東京の千住で作られていました。埼玉県深谷市で作られる深谷ねぎもこの仲間です。土寄せをして育てることで白い部分が長いのが特徴。身がよく締まり、辛みも甘みも強く、薬味や鍋、シチューなどの煮込みにも向きます。
下仁田ねぎ
旬:11月末〜12月 / 主な生産地:群馬県
群馬県の下仁田町特産で「殿様ねぎ」とも呼ばれる太いねぎ。辛みが強いので生食には不向きですが、煮るととろけるように甘く、柔らかくなります。すき焼きや煮込みに最適です。
加賀ねぎ
旬:11月〜1月 / 主な生産地:石川県
「金沢一本」「金沢太ねぎ」とも呼ばれ、「金沢の伝統野菜」に認定されています。長さは1m以上になり、甘みとやわらかな食感が特徴で、すき焼きや鍋物に最適です。
赤ねぎ
旬:11月〜2月 / 主な生産地:茨城県、山形県
白い部分が鮮やかな赤紫になるねぎ。茨城県北部・圷地域特産の圷ねぎは、辛みが少なく柔らかな食感が魅力でぬたやサラダにぴったり。山形県の庄内地方特産の平田赤ねぎは、辛みも甘みも力強く、薬味にも煮物にも向きます。
曲がりねぎ
旬:11月〜2月 / 主な生産地:栃木県、宮城県、岩手県、福島県、秋田県
斜めに植えて土寄せすることで、全体に大きく曲がった形に育つねぎ。やさしい甘みとやわらかな食感が魅力。新里(栃木県)、仙台(宮城県)、一関(岩手県)、阿久津(福島県)、横沢(秋田県)などの特産品として知られています。
越津ねぎ
旬:11月〜2月 / 主な生産地:愛知県
愛知県津島市越津原産で、根深ねぎと葉ねぎの中間的な品種。葉の部分までやわらかく、薬味にも鍋ものなどの煮込みにも向きます。
九条ねぎ
旬:11月〜3月 / 主な生産地:京都府、関西各地
葉ねぎの代表的な品種で、京都の九条が発祥地とされる京野菜。太ねぎと細ねぎがある。やわらかく、繊細な味と香りが特徴で、薬味、サラダ、鍋物、炒め物からパスタまで幅広く使われます。
万能ねぎ・やっこねぎ
旬:通年(ハウス栽培のため) / 主な生産地:福岡県、高知県
九条細系のねぎを品種改良したもので、「小ねぎ」とも呼ばれます。万能ねぎは福岡県、やっこねぎは高知県の特産品です。薬味や汁の実などにも向きます。
わけぎ
旬:1月〜4月 / 主な生産地:広島県、埼玉県、愛知県など
ねぎと玉ねぎの雑種で、ねぎほど刺激がなく、やわらかな食感。ぬた、サラダ、炒め物などにも向きます。
あさつき
旬:12月〜2月
もともとは野草。辛みと香りが強く、おもに薬味として使われます。生産量が少ないため、若どりの葉ねぎをあさつきと呼ぶこともあります。
リーキ(ポワロー、ポロネギ、西洋ネギ)
旬:11月〜2月
ねぎとは別種で、茎が太く、葉がにらのように扁平。白い部分を食べます。味も香りも根深ねぎよりまろやかで、加熱するとねっとりと甘みが出ます。スープやシチュー、さっとゆでてサラダに。輸入品が多いですが、国内では北海道などでわずかに栽培されています。