My Late Night Story 私の夜遅ストーリー

#03 応援、嬉しかったです(東京都 Sさん)

お昼休みに鏡を見て、イヤリングが片方ないのに気づいた。社内のどこかで落としたのだろう。午後の始業まであと五分もないから、今探すのは難しい。私はため息をつくと、もう片方のイヤリングを耳から外してポーチにしまった。 午後すぐに会議があった。私は洋菓子メーカーの商品企画課に勤めていて、新商品のマドレーヌのパッケージについて、課のメンバーの三人で案を出して話し合うのが議題。 今年二年目で若手の田中くんが、Aのデザインがいいと熱弁をふるった。課長はBのデザインを推したそうだったが、私は普段から頑張っている田中くんのAがいいという意図がわかるような気がして、彼の味方に
ついた。私が丁寧に説明して後押しすると、課長も「君たちがそう言うなら、やってみようか」とA案に決定してくれた。 その日は帰りが遅くなったけど、帰り際に田中くんからコンビニ袋を渡された。 「先輩の応援、嬉しかったです。これ、新商品のカップ型のカレーなんですけど、美味しかったんでお礼にと思って。食べてみてください」 屈託のない笑顔に和み、「ありがとう」と袋を受け取った。すると彼は続けた。 「廊下にイヤリングが落ちてて、誰のものか心当たりないですか?」
私は、あっと声を出して「これ、私の!探してたの、ありがとう」と飛び上がった。田中くんは「やっぱり先輩のだったか〜」と微笑んだ。 帰宅して、田中くんからもらった「やさしく夜遅カレー」をレンチンして、おにぎりとあわせて食べてみる。 「野菜がたっぷりで、とろっとしてる。カロリーも低いから、夜食べても安心でいいな」 濃厚だけどやさしい味わいが気に入った。明日、田中くんに会ったら、美味しかったと伝えよう。きっと、また笑顔になってくれるはず。 テーブルの上のイヤリングを見て、ふっと心が温かくなった。 End.
お昼休みに鏡を見て、イヤリングが片方ないのに気づいた。社内のどこかで落としたのだろう。午後の始業まであと五分もないから、今探すのは難しい。私はため息をつくと、もう片方のイヤリングを耳から外してポーチにしまった。
午後すぐに会議があった。私は洋菓子メーカーの商品企画課に勤めていて、新商品のマドレーヌのパッケージについて、課のメンバーの三人で案を出して話し合うのが議題。 今年二年目で若手の田中くんが、Aのデザインがいいと熱弁をふるった。課長はBのデザインを推したそうだったが、私は普段から頑張っている田中くんのAがいいという意図がわかるような気がして、彼の味方についた。私が丁寧に説明して後押しすると、課長も「君たちがそう言うなら、やってみようか」とA案に決定して
くれた。 その日は帰りが遅くなったけど、帰り際に田中くんからコンビニ袋を渡された。 「先輩の応援、嬉しかったです。これ、新商品のカップ型のカレーなんですけど、美味しかったんでお礼にと思って。食べてみてください」 屈託のない笑顔に和み、「ありがとう」と袋を受け取った。すると彼は続けた。 「廊下にイヤリングが落ちてて、誰のも
のか心当たりないですか?」 私は、あっと声を出して「これ、私の!探してたの、ありがとう」と飛び上がった。田中くんは「やっぱり先輩のだったか〜」と微笑んだ。 帰宅して、田中くんからもらった「やさしく夜遅カレー」をレンチンして、おにぎりとあわせて食べてみる。 「野菜がたっぷりで、とろっとしてる。カロリーも低いから、夜食べても安心でいいな」
濃厚だけどやさしい味わいが気に入った。明日、田中くんに会ったら、美味しかったと伝えよう。きっと、また笑顔になってくれるはず。 テーブルの上のイヤリングを見て、ふっと心が温かくなった。 End.

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