世界のカレー インドネシア

世界のカレー インドネシア

赤道直下。ジャワ、スマトラ、ボルネオ、セレベスの4つの大きな島を中心に、中小の島々からなる国です。首都のジャカルタは気温26℃〜27℃の暑気が1年を通じ、空気は割合に乾燥しています。島々が集まった国だけあって、種族は約300種族に及びます。海岸線にはココナッツが実り、野菜、フルーツ、米も多く収穫されます。

インドネシアのカレー紀行

各種族が独自の文化圏を形成

300種族に及ぶ種族が各自の文化圏を守っているインドネシアでは食習慣も実にさまざま。料理は大別して、パダン料理、ジャワ料理、バク料理の3系統に分けられますが、この3本柱に各島の独自性が加わり、さらに細かく分かれていきます。国民の約90%はイスラム教徒なので豚は食べず、バリ島ではヒンドゥー教徒が多いので牛は食べません。従って共通しているたんぱく源は鶏肉と魚介類です。

唐辛子ペースト「サンバル」は欠かせない

インドネシアでもスパイスは多用され、一般の家庭でも、唐辛子、ターメリック、カシューナッツ、アッサム(酸味のあるフルーツ。干しかためて保存する)、スレー(木の実の皮)など、20種くらいは常備して、その家独自のやり方で使います。しかし、共通するのは唐辛子のペースト「サンバル」で、これを抜きにしてインドネシアの食生活を語ることはできません。「サンバル」は生の赤唐辛子をベースに各家庭の独特の配合で作られ、 食卓において各人が料理に加えて辛みを調節します。

スパイスは薬を兼ねる役割

スパイスは、インドネシアでも民間療法で薬の役割を果たしています。ターメリックはアッサムと黒砂糖の2つと組み合わせて口内炎の治療に、カンチュール(しょうがに似た植物の根)はつぶしてレモン水に混ぜて喉の薬にと、実に多様な使われ方が見られます。

インドネシアのカレー

クルップウダン(えびせんべい)

インドネシアの食卓に欠かせない味。ふんわりとやわらかい揚げせんべい。

クルップウダン(えびせんべい)

サンバル(唐辛子のペースト)

唐辛子にその他のスパイスを加えて作ったインドネシア独特のペースト。家庭ごとにスパイスの配合が異なり、その家独自の味を作ります。

サンバル(唐辛子のペースト)

ナシ・カリ(ジャワ島のビーフカレー)

インドネシアのカレーは辛みがなく、粘りけのないサラサラタイプ。また油を使わずに煮込むのでさっぱりした味わいです。食べる時に、好みでサンバルで辛さをつけます。

ナシ・カリ(ジャワ島のビーフカレー)

※掲載情報は2020年11月時点のものです。

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