食材を知って、おいしく調理!

レタス

紀元前から食べられてきた定番サラダ野菜

紀元前6世紀のペルシャ王も食べていたというレタス。芯を切ると白い汁が出ることから、和名では「乳草」がなまった「ちしゃ」と名づけられました。95%が水分ですが、生食できるので栄養の損失が少なくてすみ、ビタミン、ミネラル類がバランスよくとれます。

1.どんなレタス選んでる?

葉の色・手触り

葉が淡い緑色でみずみずしく、適度な弾力があるものを。外側の葉がへたっているものは避けましょう。

軽さ・葉の巻き方

「重さ」がおいしさの目安とされることが多い野菜ですが、レタスは例外。葉の巻きがゆるく、持ってみて“大きさのわりに軽い”と感じるものを選びましょう。葉が密集して重すぎるものは芯が固く、甘みが足りない場合が多いので注意。

切り口

芯の切り口が10円玉くらいで、白くてみずみずしいものを選びます。切り口が大きすぎるものは味が落ちることが多いので注意を。赤っぽく変色したものは、収穫から時間がたっているので避けて。また、縦半分にカットして売っているものは、切り口から変色しやすく、日持ちがしないので、なるべく丸ごと買いましょう。

葉の付き方

<リーフレタス、ローメインレタス>葉がねじれずにまっすぐ重なっているもの、葉の色が鮮やかで美しいものを選びましょう。

2.保存&下ごしらえのコツ

芯を取ってから保存すると長持ち

レタスは芯から傷んできます。長く保存したいときは、芯を手でもぎとるようにくりぬいてから、ラップか湿らせたキッチンペーパーに包み、芯を下にして冷蔵庫の野菜室で保存しましょう。

小さくちぎる前に冷水に浸して

調理の前に、冷水にひたしてパリッとさせます。このとき、葉はできるだけちぎらずに浸すのがコツ。1個使う場合は、芯だけもぎとって丸ごと浸してもOKです。小さく切ってから浸すと、ビタミンCがどんどん流出してしまいます。

切り口が赤く変色するのは……

レタスの切り口が赤く変色するのは、酸化酵素の働きによるもの。人の体に擦り傷ができるとかさぶたができるように、レタスを守ろうとして赤くなるのです。切るよりも、ちぎるほうが赤くなりにくいとされていますが、切る場合は、繊維にそって縦に切る方が細胞を壊しにくくなります。切った後は、薄い食塩水か酢水に浸して酵素の働きを抑えるか、なるべく空気にふれないようラップをするとよいでしょう。また、変色しにくいように刃や素材に工夫を施したレタス専用ナイフもあります。

サラダは最初に油をまとわせて

塩や酢にふれると、すぐに水分が出てベタッとするので、ドレッシングをかけるのは食べる直前に。少人数分なら、水をよく切ったレタスをまず少量の油であえ、薄い油の膜をまとわせるようにしてから塩や酢などを入れると、シャキッとしたサラダに仕上がります。

“焼きレタス”も美味!

サラダのイメージが強いレタスですが、大きく切ってサッとバター焼きにしたり、中華スープやチャーハンの仕上げに加えるのも美味。しんなりする程度で火を止めて、色と食感を楽しみましょう。かさが減るので、量をたくさん食べられます。

3.品種と旬

レタスはキクの仲間で、レタス、サラダ菜など結球するタイプの玉レタス(ヘッドレタス)、結球しないローメインレタス、リーフレタス、ステムレタスの4つに大きく分けられます。

玉レタス

丸く、頭のような形に結球することからヘッドレタスとも呼ばれ、現在では主流の品種です。

レタス

旬:7月〜9月 / 主な生産地:長野県、茨城県、群馬県

日本でもっとも出回っているレタス。“ぱりぱり”という意味の“クリスプ”型ヘッドレタスとも呼ばれます。歯ごたえを生かしたサラダのほか、スープやチャーハンにも。

サラダ菜

旬:5月〜6月、9月〜10月 / 主な生産地:千葉県、静岡県、福岡県

表面にバターを塗ったような光沢があることからバター型ヘッドレタスとも呼ばれます。しんなりと柔らかな歯ごたえで、ほんのりと甘く、普通のレタスよりカロテンや鉄分が多く含まれます。サラダや肉料理の付け合せに。

ローメインレタス(コスレタス、立ちちしゃ)

旬:4月〜5月、10月〜11月 / 主な生産地:長野県、茨城県

エーゲ海コス島原産のレタス。ローメインレタスはローマのレタスという意味で、ローマ人が好んだことからこう呼ばれます。葉はやわらかく肉厚で、しっかりとした食感とかすかな苦味があり、シーザーサラダに最適です。サッと加熱しておひたしや炒め物にも。

リーフレタス

旬:5月〜6月、9月〜10月 / 主な生産地:長野県、茨城県

丸く結球しないタイプで、原種に近いレタス。サニーレタスをはじめとして、色も葉の形も様々な品種が出回っています。一般に、カロテンなどの栄養素は、普通のレタスより豊富。サラダや肉料理の付け合せに最適。

サニーレタス

赤紫がかった葉で、やわらかな歯ごたえ。かすかな苦味もあります。サンチュのかわりに肉やご飯を巻いても。

グリーンカール

鮮やかな緑で、葉の先がきれいにカールしています。サニーレタスより苦味が少なく、くせのない味わい。

シルクレタス(ピンクロッサ)

シャキッとした食感。ピンクがかった赤の彩りが美しく、サラダに最適です。

フリルレタス(フリルアイス)

葉先が縮れ、深い切込みが入っています。見た目が美しく、味にくせがないのでサラダ向き。

ステムレタス

アジアで発達した種類で、日本でも奈良時代から食べられていたそう。現在、よく出回っているサンチュもこの仲間です。

サンチュ(掻きちしゃ、焼肉レタス、包菜)

旬:6月〜8月 / 主な生産地:千葉県、徳島県

葉を一枚ずつ掻きとって食べることから「掻きちしゃ」とも呼ばれます。焼肉や手巻き寿司のほか、サラダの主役にも。

セルタス(アスパラガスレタス、チシャトウ)

中華料理で使われるレタス。茎をおもに炒め物、煮物にして食べます。アスパラガスに似た食感。

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