ほうれん草
寒さに触れて甘くなる、緑黄色野菜の代表選手
特にカロテンの含有量は野菜の中でもトップクラス。冬のものは特においしく、栄養価が高いので、寒い時期にぜひとりたい野菜です。
1.どんなほうれん草選んでる?
葉
葉脈の形が左右対称のものは、養分の偏りがなくおいしい。 緑色があざやかで、葉肉が厚く、張りのあるものを。葉が黄ばんだり、しおれたりしていないものを選びましょう。
茎
茎が長すぎず、根元からすぐ葉が生えているものを。茎が伸びているものは、育ちすぎて味が落ちている場合があります。
根元
根元のピンク色はミネラル分・マンガンの色。赤みが強いほど、甘みも強くなります。
2.保存&下ごしらえのコツ
新聞紙で包み、立てて保存"新聞紙で包み、立てて保存
水分が蒸発しやすいので、新聞紙やキッチンペーパーなどで包み、ポリ袋に入れて冷蔵庫に立てて保存しましょう。野菜は土に植わっていた時と同じ向きで保存するのがポイント。
ゆでる前に、根元に十文字に切りこみを
ゆでる前に根元に十文字に切り込みを入れましょう。葉の部分を箸で持ち、塩を入れて沸騰したお湯に、まず根元を浸し、色が変わってきたら全体を湯に入れると、均等に火が入ります。
茎の太さによって異なりますが、ゆで時間は1分以内がめやす。
根元は切りすぎず、甘みを味わう
ほんのりピンク色の根元部分には、栄養があるので切りすぎないこと。ややくせはありますが、香りと甘みが強いので、料理のアクセントとして楽しんで。
ゆであがったら冷水にさっとさらして
きれいな色にゆであがったら、すぐ冷水にさらしてあく抜きを。ただし、長くさらしすぎるとビタミンCが水に溶け出してしまうので、あくまでも素早く。なお、サラダほうれん草はあく抜きの必要はありません。
固めにゆでて、冷凍保存
固めにゆでて固く絞り、小分けにしたものをラップに包んで冷凍保存。食べる分を自然解凍してそのままおひたしや付け合わせに。
3.品種と旬
東洋種
葉にギザギザの切れ込みがあり、葉肉が薄い。根元は濃い紅色。あくが少なく、淡白な味でおひたしに向きます。
西洋種
葉が丸みを帯び、葉肉には厚みがあります。あくが強く、独特の土の香りがあります。根元の色は薄め。高熱で調理するバター炒めやシチュー、グラタンなどに。
一代雑種
旬:11月〜3月 / 主な生産地:千葉県、埼玉県、群馬県
東洋種と西洋種を掛け合わせたもの。一年中栽培されており、様々な料理に使えるため、市場に出回っているもののほとんどがこれ。東洋種に近い「剣葉系」はおひたしなど和食に、西洋種に近い「丸葉系」はバター炒め、シチューなど洋食に向く。
赤根ほうれん草
旬:10月〜2月 / 主な生産地:山形県
山形県で栽培されている伝統野菜の一つで、東洋種。その名の通り根が赤いのが特徴。耐寒性があり、雪下から収穫するその気候が、甘みを増す。ひと株の葉の量も多い。
ちぢみほうれん草
旬:1月〜3月 / 主な生産地:茨城県、栃木県、群馬県
東洋種のほうれん草を冬の寒さにさらす「寒じめ栽培」という方法で育てたもの。霜に当たることでぎゅっと葉が引き締まり、表面にしわがよっています。甘みが強く、柔らかいのでおひたし向き。あくが少ないのでスープやみそ汁にそのまま入れてもOK。
サラダほうれん草
東洋種と西洋種を掛け合わせたもの。葉が薄く、小さく、あくが非常に少ないほうれん草。サラダなど生食に向きます。水耕栽培のため、一年中手に入ります。
赤茎ほうれん草
東洋種と西洋種を掛け合わせたもの。ベビーリーフとしても用いられる。あくが少なく、彩りもよいのでサラダ向き。茎部分や葉脈の赤はポリフェノールの1種アントシアニンの色。