大根
サラダから煮込みまでとことん使える万能野菜
根にはジアスターゼという酵素が含まれています。葉は緑黄色野菜で、カロテンやビタミンC、カルシウムなどが豊富です。
1.どんな大根選んでる?
なるべく葉つきを!
ビタミン・ミネラル豊富な葉はぜひ利用したいもの。葉先までピンとしていて、緑の色が鮮やかなものを選びましょう。
根の表面
肌が白くてつやがあるもの。ひげ根が少なく、でこぼこしていないものを。ひげ根が縦にまっすぐ並んでいるものは辛みが少なく、斜めに大根を取り巻くように螺旋状に並んでいるものは辛みがあります。
重さ
手で持ってみてずっしりと重いもののほうが、水気がたっぷりでおいしい。細すぎるもの、太くても軽く感じるものは避けましょう。
葉や茎の切り口
葉や茎を切ってある場合は、切り口がみずみずしいものを。切り口が乾燥している、黄ばんだ色になっているものは避けて。カットされた大根の場合も、切り口が黄ばんでいたり、空洞ができたりしていないものを選びましょう。
2.保存&下ごしらえのコツ
葉はすぐに切り分けて
葉をつけたままにしておくと、根の栄養分が葉にどんどん奪われてしまいます。葉はすぐに切り分けましょう。根の部分は湿らせた新聞紙に包んでからポリ袋に入れ、立てて保存。葉は固ゆでして、冷ましてから冷凍保存をしておくと便利です。
煮物をおいしく仕上げる切り方
ふろふき大根などの煮物をするときは、輪切りにして繊維を断ち切り、皮は厚くむくと柔らかく仕上がります。煮くずれを防ぐため、切り口の角を薄く削り(面取り)、片面に浅く十文字の切れ目を入れる(隠し包丁)と、味がよくしみます。
葉や皮は捨てないで!
葉→サッと塩ゆでし、刻んで冷凍しておくと汁物の具などにすぐ使えます。細かく刻み、油揚げ、じゃこ、ベーコンなど好みの具とともに炒めればおいしいふりかけに。
皮→繊維にそって細切りにし、ごま油で炒めてきんぴらにするとおいしい。
部位ごとの味わいを活かす
部位によって、風味や食感が異なります。特徴を知っておくと、部位ごとの味わいを活かした、さまざまな調理のバリエーションが楽しめそう。
上部→シャキシャキと歯ごたえがあり、甘みも強い。サラダなど生食に。
中部→加熱すると柔らかく、なめらかな舌触りに。煮物やシチューはもちろん、カレーに入れてもおいしい。
下部→やや筋っぽく、辛みが強い。辛みを活かして大根おろし、漬物などに。
切り口はしっかりラップで保護
使いかけのものは、切り口が乾かないようにぴっちりとラップでくるみ、冷蔵庫の野菜室に立てて保存します。
お米の力でふっくら白く!
煮物をするときは、米のとぎ汁で柔らかくなるまで下ゆでするか、ゆで汁に少量の米を加えて。苦みがとれ、白く柔らかに煮上がります。
3.品種と旬
昔は、品種の数が非常に多い野菜でしたが、現在は生産量の95%が青首大根といわれています。昨今では、青首以外のさまざまな「地大根」が各地で栽培され、その味を見直す動きも高まっています。
青首大根
旬:12月〜2月 / 主な生産地:北海道、千葉県、青森県など
最も普通に出回っている大根。かつては関西で青首系、関東では白首系が好まれていましたが、甘く、水分が多く、病気に強いことから全国に広まりました。生食から煮込みまで、幅広い料理に。
白首大根
旬:11月〜12月 / 主な生産地:東京都、神奈川県など
練馬大根(東京都)、三浦大根(神奈川県)、大蔵大根(東京都)など、かつては関東で主流だった品種。辛みが強く、きりっとした味わいで煮くずれしにくいのが特徴。漬物、おでんなどに。
守口大根
旬:12月〜1月 / 主な生産地:大阪府、愛知県
大阪府守口で生まれた、世界最長の大根。直径は3cm前後、長さは1m以上になります。愛知県の名産品、守口漬の材料。
聖護院大根
旬:12月〜2月 / 主な生産地:京都府
かぶのような丸い形の京野菜。肌はきめ細かで煮崩れしにくく、甘みがあります。繊細な味を生かして、薄味の煮物やふろふきに。
桜島大根
旬:12月〜2月 / 主な生産地:鹿児島県
世界最大の大根で、鹿児島県桜島の火山灰地で育ちます。重さは15kg前後で、30kgを越える巨大なものも。辛みが少なくて甘みがあるので、生食にも煮込み料理にも向きます。
辛味大根
旬:10月〜12月 / 主な生産地:長野県
小ぶりで辛みが強い地大根の総称。ねずみ大根、戸隠地大根、灰原辛味大根など、長野県は特に、辛味大根の種類の豊富さで知られています。おろしてそばの薬味に。
ラディッシュ
旬:通年 / 主な生産地:愛知県、福岡県など
二十日〜1か月程度で収穫できることから二十日大根ともいい、家庭菜園にも向きます。サラダなど生食に。