食材を知って、おいしく調理!

アスパラガス

収穫まで3年、土壌のエネルギーをふんだんに吸収

収穫期には、1日に10〜20センチも伸びるアスパラガスは、葉が出る前の、若芽と茎を食べる野菜。疲労回復に効果があるといわれるアスパラギン酸が多く含まれ、穂先の部分には動脈硬化の予防に役立つとされるルチンが含まれています。

1.どんなアスパラガス選んでる?

穂先

穂がふっくらとしていて、先端がピンとしまっているもの。穂先が曲がっているものは、収穫してから横に置いてあった時間が長いことも考えられるので、なるべくまっすぐしているものがいいでしょう。

はかま

はかま(茎についている褐色の葉になるところ)の形は、正三角形に近いものを。はかまが細長い二等辺三角形のものは、株がやせ、味が落ちている場合があります。

色、ハリ

緑色があざやかで濃く、表面に筋が現れていないもの、持ってみて弾力のあるものを。

茎の太さは一定のものを選びましょう。茎が細すぎるものは筋がかたいことも。

茎の断面

切り口が丸くて白く、みずみずしいものを。茎のかたちがいびつなものや、切り口が乾いてささくれだったものは避けましょう。

2.保存&下ごしらえのコツ

ぬらした新聞紙に包み、立てて保存

「芽」の新鮮さを味わいたい野菜なので、早めに調理するのがいちばん。濡らした新聞紙に包んでポリ袋に入れ、冷蔵庫に立てて保存し、2〜3日以内には使い切りましょう。寝かせておくと元の姿勢に戻ろうとしてエネルギーを消耗し、鮮度が早く落ちてしまいます。

固いところは手で折る

根元の固いところは、手でポキンと折って取ります。皮の固さが気になるときは、下のほうだけピーラーでむきましょう。

塩ゆですると色鮮やかに

アスパラガスをゆでるときは、塩を入れてゆでると、色鮮やかに仕上がります。塩は、お湯1Lで小さじ2弱を目安にします。板ずりをしてもOKです。その際は、ゆで湯に塩を入れる必要はありません。

時間差でゆでてシャキシャキ仕上げ

沸騰したお湯に塩を入れ、まず根元を立てて20秒ほど漬けます。それからそっと横に寝かせ、全体を入れて1分を目安に引き上げ、ザルで自然に冷ますか、氷水をかけて手早く冷やします。穂先は40秒ほどで火が通るので、ゆですぎに注意! 味が抜けるので、水にはさらさないこと。

塩ゆでしたものを冷凍保存

固めにゆでたアスパラガスは冷凍できます。使いやすい大きさに切り、30秒ほどゆでるか、電子レンジで40秒ほど加熱してからあら熱を取り、保存用のポリ袋に入れて冷凍庫へ。凍ったままソテーや炒め物、シチューなどに使えて便利です。

余熱を利用してやわらか仕上げ

やわらかな食感を楽しみたいときは、塩を入れたお湯に、すぐに全体を沈め、穂先が柔らかくなった段階で火を止めて、茎が柔らかくなるまで湯につけたまま、余熱で火を通します。こうすると根元までたっぷりと水気を含んでつるりと食べられ、“シャキシャキ”とはまた違うおいしさに。

3.品種と旬

ホワイトアスパラガスとミニアスパラガスは、見た目は違えど、もともとはグリーンアスパラガスと同じ品種。栽培方法などの違いから、色やサイズが変わり、適した調理法もそれぞれ異なります。夏よりも春採りのもののほうが、栄養価も高いとされています。

グリーンアスパラガス

旬:3月〜6月 / 主な生産地:北海道、長野県、佐賀県、長崎県、福島県

みずみずしさと甘みが強く、栄養価が豊富。3月には九州産、4〜5月には長野県や福島県産、5月下旬以降に北海道産の露地ものが出回ります。塩ゆでのほか、炒め物、カレーやシチューの具、スープやポタージュにも。

ホワイトアスパラガス

旬:5月〜6月 / 主な生産地:長野県、北海道

グリーンアスパラガスを、芽が出る前に土寄せして育てたもの。日に当てないことで、白くなります。ヨーロッパでは、繊細な味わいと香りを楽しみ春の訪れを味わう風物詩となっています。輸入品が多いですが、日本でも初夏に長野県産や北海道産が出回ります。柔らかくゆでてサラダなどに。

ミニアスパラガス

旬:3月〜6月 / 主な生産地:長崎県

グリーンアスパラガスを早採りしたもの。長さ10cm程度で出回ることが多く、炒め物などの彩りに向きます。タイ他からの輸入品が多いですが、国内では長崎県産などが出回ります。

紫アスパラガス

旬:5月〜6月 / 主な生産地:長野県、北海道

アントシアニンが多く含まれ、紫色をした品種。甘みが強く、近年人気が出ています。ただし、ゆでると紫色が緑色に変わってしまいます。グリーンアスパラガスと同様に使えますが、紫色を生かすなら、新鮮なものを生のままごく薄く切ってサラダやマリネに。

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