ハウスの出張授業

スパイスの‘辛味’を探る(その1)

スパイスの重要な3つの働きについて、実験・体験を交えながら、考察しています。

「スパイスの分類・観察」スパイスは植物において、スパイスは植物であることを学びました。そして「特徴のある香りを持ち、飲食物に風味や辛味を付けたり、着色したりするとともに、食欲増進や消化吸収を助けたりする働きを持つもの」と定義づけました。
ここでは、その飲食物に辛味をつける働きについて(<辛味づけ>)、辛味のもとは何なのか、感じ方の違いや辛味の特徴、辛さを抑える工夫、などを考えてみましょう。スパイスが持つ‘辛味’という力が見えてきます。

辛味とは? 辛味を感じる人間の体の仕組み

舌の表面に4000個ほどもある味らい、味覚とはその味らいで感じるもので、5つの基本味があります。5つの基本味は、甘味(かんみ)、塩味酸味苦味旨味であり、辛味は基本味には入っていません。
辛味は温痛覚などの感覚を刺激して、総合的に感じる味なので、基本味とは別のものとされています。
この温痛覚とは、強い刺激で起こる痛覚、そして触ったものと皮膚との温度差で起こる温覚と冷覚とがあり、痛い、冷たい、温かい、熱いなどを感じます。辛味はこの温痛覚などの刺激を通して感じるものです。

スパイスは料理や食品に辛味をつける<辛味づけ>という重要な働きを持っていますが、では、スパイスの辛味のもとは一体、何でしょうか?

食べ物が口に入ると、唾液で溶け、その成分(=味物質)が舌の上に広がります。それらの幾つかは味らいの味細胞を刺激し、その興奮が神経から大脳の味覚野へと伝わり、味として感じられます。味を感じ分け、食べられるものかどうかをチェックし、食欲を高めて消化液の出る量をコントロールする感覚、これが味覚です。

スパイスの辛味のもとは何? 辛味の感じ方の違いやポイント[実験・体験(3)]

スパイスの辛味、辛味のもとは何でしょうか?

「スパイスの‘香り’を探る」スパイスの香りのもとは何?どこにある?[実験・体験(2)]<香り成分のある所(葉の裏)写真> においては、スパイスの香りのもとは揮発性の香り成分であることが解りました。そして、これらが料理や食品に香りをつける<香りづけ>という大切な働きを担うということも。

一方、辛味のもとは、その植物に含まれる辛味成分にあります。レッドペパー(唐辛子)、ペパー、ワサビ、ジンジャーなどは<辛味づけ>をおもな働きとするスパイスです。
それぞれのスパイスによって、含まれる辛味成分が違います。そのため、辛味の感じ方も違い、辛味成分の化学特性からホット系シャープ系に分けることができます。スパイスの辛味成分と辛味の感じ方の違いについて見てみましょう。

辛味の感じ方

辛味の感じ方の違いについて

実験・体験(3)辛みの違いを、食べて体験!

【手順】

  1. 3つのスパイスを用意する。ワサビ(ねりチューブから絞ったもの)、ブラックペパー(黒胡椒と白胡椒をミックスした家庭用コショーでもOK)、そしてレッドペパー(唐辛子)。
  2. 3つのスパイスをそれぞれ皿に乗せ、ごく少量ずつ食べ比べてみる。食べる合間に水を飲んで、口の中の辛味をおさえた状態にする。(食べる順番は、ワサビ→ブラックペパー→レッドペパーとする)
  3. 児童・生徒から、それぞれの辛味がどう違ったか、どのスパイスの辛味が一番が強かったか、などの感想を聞く。

3つのスパイスはどれも含まれる辛味成分が違いますので、辛味の感じ方が違ってきます。上段の表を参照してください。

レッドペパー(唐辛子)やペパーは口の中がカーッと熱くなり、辛味感が後まで残ります。
サビは鼻にツーンと刺激されるような辛味を感じますが、水を飲むとおさまります。
辛味と一言で言っても、成分が違い、感じ方が違い、それぞれ違ったポイントを持っています。

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