ハウスの出張授業

スパイスの‘色づけ’を探る(その1)

スパイスの重要な3つの働きについて、それぞれさまざまな視点で実験・体験を交えながら考察していますが、最後の3つ目は<色づけ>について。例えば、人気のメニュー、カレー。カレーといえば黄色、では一体何がこの色づけをしているのでしょう?実はすでに学んでいます。

「暮らしの中のスパイス」カレーパウダー(粉)にブレンドされているスパイス

「カレーと栄養(その1)」カレールウは何からできている?

カレーの黄色は、ターメリックというスパイスが色づけをしているんですね。

ここでは、このターメリックのように、スパイスが料理や食品に色をつける時、その色づけのもとは何なのか、どのような特徴があるのか、などを考えてみましょう。スパイスが持つ‘色づけ’という力が見えてきます。

スパイスの色づけのもとは何? <色素細胞写真>

スパイスの色づけのもとは何でしょうか?
それは、色素成分です。
植物はそれぞれにおいて多種多様の色素成分を含んでいます。スパイスは植物ですから、もちろん、それぞれの色素成分を持っています。

●ターメリック<黄色色素成分>
⇒【クルクミン】
●レッドペパー、パプリカなど<赤色色素成分>
⇒【カロテノイド】(リコピン、カプサンチン、β-カロチン、等)
●サフラン、クチナシ(実)
⇒【カロテノイド】(クロシン)
●赤シソ<赤色色素成分>
⇒【アントシアニン】(シソニン、ペルラニン)
※ブルーベリーやサツマイモの色素も赤シソと同じアントシアニンに分類されます。

色素成分には着色性(着色作用)という大きな役割がありますが、その色素成分の特徴によって、着色性は違ってきます。

<色素成分の特徴・着色性の違い>

(1)大きく分けて、水に溶けるものと油に溶けるものがある。
使い分けることによって、きれいな着色が可能。

(2)溶かす液体がアルカリ性の時と酸性の時では色が変化することもある。

(3)加熱すると色が変化するものもある。
(加熱すると退色するもの→熱に弱い、加熱をしても変わらないもの→熱に強い)

(4)金属類と一緒に使うと色が安定するものもある。
(例えば、アントシアニン系の色素成分を持つ黒豆は、古釘をガーゼに包んで
一緒に煮込むと色が安定する)

では、次の項以降で、(1)、(2)について、詳しく見ていきましょう。

水に溶けるもの、油に溶けるもの[実験・体験(6)]<料理例>

<色素成分の特徴・着色性の違い>
(1)色素成分は、大きく分けて、水に溶けるもの油に溶けるものがあります。これらを使い分けることによって、きれいな着色が可能となります。

水に溶ける色素成分を含むスパイス

油に溶ける色素成分を含むスパイス

実験・体験(6)水と油に溶かした時の違い

【手順】

  1. サフラン(ホール)とターメリック(パウダー)を用意する。4本の試験管と水と油を用意する。
  2. 試験管の中に10~15ml(大さじ1杯=15ml)の水を入れ、そこにサフランひとつまみ(2~3本)を加え、軽く振る。-<A>
  3. 試験管の中に10~15mlの油を入れ、そこにサフランひとつまみ(2~3本)を加え、軽く振る。-<B>
  4. 試験管の中に10~15mlの水を入れ、そこにターメリックをほんの少量加え、軽く振る。 -<C>
  5. 試験管の中に10~15mlの油を入れ、そこにターメリックをほんの少量加え、軽く振る。 -<D>
  6. 4つの試験管のサフランとターメリックの溶け方について、それぞれチェックしてみる。
  7. 児童・生徒から、それぞれがどう違ったか、どのパターンがきれいな着色となったか、などの感想を聞く。

■水に溶ける色素成分を含む親水性のスパイス、サフランを使った<A>、<B>の実験。
<A>は、サフランの色素成分が水に十分に溶け出しているパターン
<B>は、サフランの色素成分が油には溶けにくいため、着色が十分ではないパターン
結果は、<A>の試験管にはきれいな赤色が広がります。

■油に溶ける色素成分を含む親油性のスパイス、ターメリックを使った<C><D>の実験。
<C>は、ターメリックの色素成分は水には溶けにくいため、着色が十分ではないパターン
<D>は、ターメリックの色素成分が油に十分に溶け出しているパターン
結果は、<D>の試験管の方が、きれいな黄色となります。

このように、親水性、親油性という色素成分の特徴によって、着色性に違いが出てきます。スパイスの<色づけ>という力を発揮させるには、この特徴をつかんでおく必要がありそうです。

実験・体験(6)の結果

料理例

パエリア(サフラン)、チキンカレー(ターメリック)、チキンパプリカ(パプリカ)

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